私も嬉しそうなタクトにつられ、 指差された方を見る。 「あー、たくさんセットになってるやつだ」 「すげーっ!」 そこにはたしかにうまいね棒のセットがあった。 三十本くらいがぎゅっと袋に詰め込まれ、 大きな一本の筒のようになっている。 タクトは瞳をキラキラさせて 透明な仕切りに張り付いた。 そんなにうまいね棒が好きか。