いつも自分のために頑張ってくれている両親のことを 考えると、 どうしても言えなかった。 「私こんなだけど、お父さんとお母さん、 結構好きなんだ」 「うん」 「私が私立の高校行きたいって言ったから 頑張って学費出してくれたのに。 ……今さらやめたいなんて言えないよ」 最後の方は涙混じりだった。 タクトがもっともなことを言う。 「それでも急に娘が死んじゃうよりは、 言った方がいいと思うけど」