そう決めてからは、驚くほど気持ちが楽になった。 まるでずっと足にはめていた足枷を 削ぎ落としたみたいに。 勇気がでなくて飛び降りることは出来なかったけれど、 私は毎日屋上に向かった。 裏口の扉は、何度来ても開けっ放しだった。 屋上からの景色を眺めながら、 何度も自分が落ちていく所を想像した。