それでももしかしたら、 梓が私のことを見張っているんじゃないかって。 どこかで私のことを見ていて、 笑ってるんじゃないかって。 そう思ったら、 眠れなくなった。 どこにいても、梓の声が聞こえる。 声が聞こえると、 いつも梓がどこかで自分を見ているんじゃないかと思って、 不安で胸が掻きむしられた。 私は常に姿の見えない彼女の声に 怯えるようになった。