声をくれた君に



そんなことを考えていると、高橋くんが再び口を開いた。

「あいつは…小田は

気付いてるかもしれねーけど

佐野のことが好きなんだ」

(やっぱり、そうなんだ…)

「だからお前と佐野が仲良くしてるとこ見てヤキモチ妬いたっつーか

それでこんな行き過ぎたことやってるんだと思う。

最近特にひどいだろ?やることが。

あいつにはもう誰にも逆らえなくて

誰も自分を標的にされたくなくて

小田の味方をしてるんだと思う。

俺は少なくともそうだ。

だから俺らは弱い人間」

私が、もしいじめの標的じゃなかったら、小田さんの味方してたのかな

それとも佐野くんみたいにいじめられてる人を助けられたかな

「お前とか佐野とかは、強い人間だよな。

佐野はまあ、いじめるキャラじゃないっていうのもあるけど

お前を助けようと頑張ってるとこ、すげーカッコいいと思う」

(やっぱり佐野くんは男から見てもカッコいいんだ…)

「それからお前は

絶対負けなかったよな。

不登校になるわけでもない、やり返すわけでもない。

絶対泣いたりもしなかった。

カッコいいな」

ただの自分の負けず嫌いを見てくれている人がいるんだ

カッコいいって、思ってくれる人がいるんだ

(もう、何も怖くないや…)

「なんか、結構ぶっちゃけたな…

俺もそっち側まわろっかな」

高橋くんがそう呟いた時、屋上の扉が開いた。