声をくれた君に



一週間後、私は佐野くんに作ったチョコプリンをカバンに入れ学校に向かっていた。

一週間前から毎日練習し、毎日チョコプリンを食べた。

ひとり暮らしをしていることもあって、そもそも料理はある程度得意だ。

(よし、一緒にお昼ごはん食べる時に渡そう)

そう思って昇降口に辿り着いたとき、偶然小田さんに出会った。

「おはよう、櫻田さん」

彼女の目は、敵意に満ちていた。

昇降口で小田さんと出会うのははじめてだ。

(何をする気だろう…)

私は身構えた。

「櫻田さん、今日佐野くんにチョコ渡したりしないよね?」

(え…

なんでそんなこと…)

「最近佐野くんと仲いいみたいだけど

それが佐野くんに迷惑がかかるってこと、わかってる?」

(どういう意味…?)

「いじめの標的と仲良くした人間がどうなるか、考えればわかるでしょ?」

小田さんは私の目の前まできて、私を見下ろした。

「あんたの代わりにいじめの標的にされる。

私が言うんだかから間違いないでしょ?」

いじめの根源が小田さんだと言っていた佐野くんの言葉を思い出した。

(小田さんが佐野くんをいじめたりしたら、みんな佐野くんをいじめてしまう…)

私をたくさん助けてくれた彼が、私のせいで傷つくなんて

(耐えられない…)