声をくれた君に



私はすぐに佐野くんの顔を思い浮かべた。

(いやいや、どんだけ好きなの)

思わず自分にツッコミを入れてしまった。

けれど、バレンタインにチョコを渡すということはつまり

”好き”という気持ちがばれてしまうわけで。

(それはまずい…

だって今の佐野くんとの関係、壊したりしたくない…)

せっかく私を助けてくれて、お昼ごはんも一緒に食べれるようになって

(気まずくなんてなりたくない…)

私は佐野くんとのお昼ごはんを思い出した。

(甘いもの、好きだよね)

チョコレートにプリン、どちらも佐野くんの好物だ。

(それならチョコプリン?

っていやいや、渡せないから)

悶々と悩みながら、ふと商店街のお店の看板を見た。

”感謝チョコ”

友チョコとか、義理チョコとかの類だろう。

(これならいいかも。

感謝チョコ…

うん、これを佐野くんに渡そう)

私はお店で材料を揃え、今夜から練習することにした。