声をくれた君に



一緒に教室に戻ると、

「佐野!ちょっとこっち…」

佐野くんは突然クラスの男子に教室の隅まで追いやられる。

(ど、どうしたんだろう?

大丈夫かな…

まあ、佐野くんは私と違っていじめられてるわけじゃないし、大丈夫だよね)

私はそのまま自分の席に戻った。

(でもやっぱり気になる…)

私はじっと佐野くんを囲む男子集団を見ていた。

そんな集団の中心にいる彼と

(目が合った…?

そんなわけないか)

私はなるべく気にしないようにして次の授業の準備をした。


しばらくすると、佐野くんが自分の席に戻ってきた。

「さっき、何言われてたのか気になる?」

(別に…)

私は佐野くんから目を逸らした。

「ウソつけ」

佐野くんはそんな私にデコピンをかました。

「さっき、俺のこと見てただろ?」

(目が合ったの、気のせいじゃなかったんだ…)

「ほら、気になってたんだろ。

それとも単に俺のこと見たかっただけ?」

(そ、そっちの方が恥ずかしい…!)

私はぶんぶんと勢い良く首を横に振った。

「ジョーダンだから、そんな必死に首振らなくていい…

ほら、耳貸せ」

私は佐野くんに耳を貸した。

「小田をあんま怒らせんな、あいつ怒るとまじでこえーから、って。

つまり、あいつらは小田が怖くて一緒にやってるだけかもしれないってこと」

(なるほど…)

確かに何かにつけて小田さんが関わっていたり、中心になってたりしていた気がする。

「だから、根源である小田をどうにかすればいい。

今までみたいな感じで」

(なるほど…

でも、なんだか仕返ししてるみたいで嫌だな)