声をくれた君に



佐野くんの方を見ると、おいしそうにプリンを頬張っていた。

(お、おいしそう…)

「ん?ほしいのか?」

(ちょっと食べたいかも…)

「仕方ないな…

あ」

私が小さく口を開けると、佐野くんはそのままスプーンを口に突っ込んだ。

(うん、甘くておいしい)

そんなことをのんきに考えていると、佐野くんが私の耳元に口を寄せた。

「間接キス」

(なっ…!)

全身の血が顔に集まってくような気がした。

「ふっ、顔真っ赤になってる」

(誰のせいだと!

佐野くんってそんなことも言うんだ…

今日の佐野くん、ちょっと変…)

私は再びしばらく佐野くんの顔を見れなくなった。


お昼ごはんを食べ終わると、私たちは教室へと向かった。

「明日からも屋上で食べるから、いいな?」

私は佐野くんに頷いて見せた。

(これからは毎日、おいしくお弁当が食べられるんだ…

かなり幸せかも)