声をくれた君に



数学の授業が終わり、小田さんは職員室に連れて行かれ、佐野くんが私の方を向いた。

「学校側はさっき担任が言っていた通り、内密に終わらせるつもりみたいだ」

私はうんうんと頷いてみせた。

「だからさっきみたいに根本的にひとつづつ解決していくことが必要になる」

(なるほど…

ていうか佐野くんって絶対頭いいっていうか、ずる賢いよね…)

「おい、今俺のことずる賢いとか思っただろ」

私は慌てて首を横に振った。

(こんな風に私の脳内まで読んじゃうんだもん、うん、絶対頭いい)

「だから、その過程であんたは絶対嫌な思いをすることになる。

ごめん」

佐野くんは本当にいい人だ。

佐野くんは何も悪くないのに、こうやっていつも私を完全に守りきれないことを謝ってくれる。

「でも、最後には必ず助ける。

だから少しだけ我慢しろ」

(うん、大丈夫)

私は佐野くんに笑って見せた。