声をくれた君に



そのことが学校の外に漏れるといろいろとまずい。

うちは一応私立だから評判とか落ちるとまずいんだ。

だからこのことは内密にしたいと思っている」

(え…?)

「小田に謝らせたいというなら両親呼んで謝らせるし

金も、少しなら学校から出せるらしいが…

お前はどうしたい?」

(ふざけないで…)

私は担任に軽蔑の目を向けた。

(学校中の先生が知っているっていうのに

この学校の教師はみんな、自分を守ることしか考えないの…?)

小田さんが心の底から謝るとは思えない。

お金なんていらない。

「まあ…

結果無事だったわけだし

お前がいじめられるようなことをしたのも悪いんだから、な?」

何ひとつ変わってない。

結局悪いのはいじめられている私なんだ。

変わったのは私の中だけで

私の外側は何も変わっていなかった。

(そうだ、私が勝手に期待しただけだ…)

私は担任に答えを出さないまま自分の席に戻った。

(これが今までの当たり前だったんだ。

何も落ち込むことなんてない)

そう思っていたのに、席に着こうとする私の腕を佐野くんが掴んだ。

「櫻田、俺は嘘はつかない。

俺はあんたを守る」

(もう、佐野くんは十分私を助けてくれた。

それだけでいいの…)

私は力なく笑って見せた。