声をくれた君に



ひとしきり泣き終わると、彼は口を開いた。

「さっきはキツイ言い方してごめん」

私は首を横に振った。

「だいたい俺がいきなり聞いたのに、説教なんかして…

もしかしてほんとは話したくなかった?」

私はもう一度首を横に振った。

「そうか」

きっと佐野くんが怒ってくれたのは、私のことを本気で思ってくれてるから。

それに彼に話したことで、少し前に進めたような気がした。

もっと前に進みたい。

声を出せるようになることで、その先に進めるんじゃないかって、そう思った。

「でも、どうやったら出せるようになるんだろうな…」

今まで一度も声を出そうと思わなかった私は、何の方法も思いつかなかった。

「まあ、焦っても仕方ないよな。

ゆっくり考えよう」

私は大きく頷いた。