声をくれた君に



次の日も、学校に行くと机があった。

(本当にやめたんだ…)

昨日のメールのこともあってか、すごく嬉しい気持ちになった。

そのまま席に着きカバンを開けていると、佐野くんが振り向いた。

いつも無表情な彼。

しかし心なしか不機嫌そうに見えた。

(何か怒ってる…?)

「おい」

(や、やっぱり怒ってる?!)

「なんで返信しなかった」

(え…)

私は昨日彼からもらった”うん”という2文字のメールを思い出した。

(いやいや、いやいやいや。

あのメールに返信しろって言うほうがおかしいでしょ…!)

「俺はメールが得意じゃない」

(はあ…)

「頑張ったのに」

(あれで頑張ったっていうの…?)

私はおかしくてつい笑ってしまった。

(もしかして佐野くんって結構天然?)

そんなことを思っていると、佐野くんは笑う私を見て目を小さく見開いていた。

(何に驚いてるんだろう…)

小さく首をかしげると、彼は私の両頬をむぎゅっと片手でわしづかみにした。

(え?!)