声をくれた君に



写真を見ているうちに、私はふと気づいてしまった。

(佐野くんと関わっていたら、またこうやって昔みたいに笑ってしまうのかな)

屈託のない無邪気な私に戻ってしまうような気がした。

(変わりたい。

でもそれは幸せになりたいってわけじゃなくて

嫌なことから解放されて、普通になりたいって思うだけで

私は幸せを願ってるわけじゃない。

私はもうこの先、無邪気に笑って生きてちゃいけないんだから)

どうしてこんな言い訳じみた言い方をするようになったんだろう。

いつから私は幸せを願うようになってしまっていたんだろう。

忘れてはいけない。

忘れていたわけではない。

私は写真を手に取った。

(私は彼女を傷つけたんだ。

私は彼女を殺したんだ…)

写真を手にしたまま、私はいつの間にか眠りについていた。