声をくれた君に



「珠李」

私は悠梓くんに名前を呼ばれ、顔を上げた。

悠梓くんは、そっと私の左手をとる。

「俺が世界一あんたを愛してる証」

薬指にヒンヤリとした感触を覚える。

「わ…」

小さなダイヤがキラキラと輝く指輪だった。

その指輪に、悠梓くんが小さくキスを落とす。

「一生そばにいる。

あんたが嫌と言っても俺は離さない」

「私だって…悠梓くんが嫌って言っても、離してあげないんだから…」

「俺が嫌になるわけないだろ」

彼は自分の額を、私のそれに合わせた。

お互いの目を見つめるけど

照れくさくてお互い、はにかんでしまう。

けれど、そんな瞬間が、私の胸の奥をぎゅーっと締めつける。

「愛してる、珠李…

何度言ったって足りない。

言葉だけじゃ言い表せない。

この気持ち、全部全部通じてるか?」

「うん、ちゃんとわかるよ…

悠梓くんにも伝わってる?

私の気持ち、全部」

「当たり前だ。

俺のこと、好きで好きで仕方ないんだろ?」

「もう…」

(そうだよ

好きで好きで、仕方ないんだよ…)

「珠李」

「悠梓くん」

私たちはもう一度見つめあって、そっと唇を重ねた。

悠梓くんの想い、すべてが伝わるようなキス。

それは、世界一幸せなキスだった。



☆『promise your hapiness』end ☆