「当たり前だ。
俺がどれだけあんたを好きか、わかってないのか?」
そう言って今度は、悠梓くんが私をぎゅっと抱きしめた。
そして耳元に唇を寄せる。
「珠李、愛してる」
心臓が飛び上がるのと同時に、全身の温度が顔に集まる。
「ちゃんと伝わった?」
「そ、そんなのズルイよ、ダメだよ…」
私は耐え切れなくなって、悠梓くんの胸に顔をうずめた。
彼の服をきゅっと掴むと、彼はその手を無理やり引き剥がした。
「あんたこそ、顔隠すのはズルイだろ?
ちゃんとコッチ向けよ」
「無理無理、絶対だめ!」
「そう言われると、逆に見たくなるのわかんない?」
彼は私をそのまま押し倒した。
手は捕まえられたままで、私の顔を隠すものは何もない。
なんとか逃れようと、私は全力で顔を横に背けた。
「コッチ向けって言っただろ?」
私の抵抗は虚しく、彼は片手で私の両手を固定し
もう片方の手で私の顎を捕らえた。