「もうごはんは食べたの?」

「まだ」

「え?!

冷蔵庫に作って入れてたんだけど…

気づかなかった?」

「いや、あんたと一緒に食べようと思って、待ってた」

(そういうの、すごく嬉しい…)

「ありがとう、悠梓くん」

「ん」

「じゃあ今から温めるね」

私がその場を去ろうとすると

悠梓くんが私の手を掴んで、そのまま引っ張った。

「わあっ」

バランスを崩し、ソファに横たわる悠梓くんの上に倒れこんでしまった。

「何その体制。

大胆なやつ」

「どう考えても悠梓くんのせいだよ」

「おなかすいた」

「うん、用意するから…

手、離してくれないかな?」

「やだ」

(もう、大きな子供みたい…

そういうところも可愛くて好きなんだけど)

「やっぱり

珠李を食べたい」

「え?!」

全身の熱が顔に集まるような感覚。

「も、もう変なこと言わないでよ」

「俺は真剣だけど?」

そう言って私の目をじっと見つめる。

「ねえ、珠李のこと、食べてもいい?」

「…もう、

好きにしていいよ」

私は観念して笑いかけた。