「5組っ5組っ♪」
私はスキップしながら教室に向かっていた。
「あんた、スキップ下手だな」
「す、スキップに上手いも下手もないよ!」
「なんか、リズム感がない。
ていうかバカがばれるぞ」
「いいの、これが私なりの喜びの表現なの!」
(悠梓くんと同じクラスだもん、浮かれないわけないじゃん)
「だいたい悠梓くんだって嬉しすぎて私に抱きついてたくせに」
「うるせ」
彼は何も言わなくなった。
(なんか、悠梓くんの扱い方わかってきたかも…)
教室に入るなり、私を見た人たちは一瞬固まった。
「え…」
明るく染めた髪、ブレザーから出るフード、短すぎるスカートに時代遅れのルーズソックス。
「どう考えても、それが原因だな」
(そうだ…前のクラスでは途中から見慣れて何も言われなくなってたけど)
ここにいる人たちは、ほとんどがはじめて同じクラスになる人たち。
「やばい、失敗した」
「かもな」
私たちはとりあえず席につくことにした。