声をくれた君に



「たしかに、お母さんのこと大好きだったんだろうな。

あんたのお母さんはすげー人だ、愛されてたと思う。

でも、あんたのことを許せないっていうのは違うと思う」

彼は力強く言い切った。

「家があるのも、生活ができてるのも

全部あんたのお父さんのおかげだ。

本当にあんたを許せないんだったら、もっと見捨ててると思う」

(そう…なのかな)

「声も出せるようになったんだ。

連絡してみたらいいんじゃないか?

まあ、無理にとは言わないけど。

珠李がしたいようにすればいいよ」

彼は私に優しく笑ってみせた。

「うん…

帰ったらお父さんに電話してみる」

私も彼に笑いかけた。

「もし、あんたが傷つくような結果になったとしても

俺は絶対にあんたを守る。

お母さんの前で約束したんだ、破るわけにはいかない」

「うん…

私も、悠梓くんのこと守るからね!」

守られてるだけなんてだめだ。

私も悠梓くんのこと、絶対に守る…

「ほんと、あんたってやつは…」

彼は私の頭をポンポンと優しく撫でた。