この子は、なんて可哀想なんだ…。

「梨杏だよ。梨杏。私は…ずっと一人の人間
美桜じゃない!私は…梨杏っ!私は…梨杏なの、。」

「梨杏っ?」

「皆がみんな、私を嫌う。お母さまみたいだから。全てが。
性格まで似すぎたの。」

「たしか、お母さんって…。」


「うん。…お父様とか美桜とかの前で。…私は、倒れたかあさまに、似すぎた。」


「みんな、私をかあさまに、なぞる。
知り合いでかあさまに、なぞらない人は、美桜として私を見るの。
私は、梨杏なの、。
…でも誰も私を見てくれたことはない。」


「陵は、初めて私を見てくれたの。 忘れてたみたいだけどね。
あの日ね、怖かった。」


ずっとずっと独りだったから。