「東野くん!」




自然と溜息が出る。


それもこれも、全部あいつのせいだ。




「東野くん!大変なの…」




ここ最近、ずっとしつこく付きまとわれる。


こっちの身にもなってくれ。




「か、神楽ちゃんが……」




神楽?



「あいつがどうした?」




「中庭で倒れちゃったの!どうしよう…」



中庭…



俺は急いで中庭に向かった。




後ろで不気味な笑みを浮かべているとも知らずに。




「おい、神楽…!」



特に異常もなさそうだけど



「家帰…る……、っなんだ…」




急に体が動かなくなって、


視界がグニャリと歪んだ。





油断した………




「これで、貴方は私のもの。永遠に……」



不気味な笑い声が遠ざかっていく。