タタタっと階段を上る。




龍心くんって口悪いよな〜


怖いし。




そんな事を考えていたら、



目の前に人がいることに気付かなかった。




「きゃあっ」



「あ、ごめんなさい!」




ここが踊り場で良かった。




「ごめんね、怪我ない?」



尻餅をつく女の子に手を差し伸べる。




「ありがとう。怪我ないよ」



「本当にごめんね」




「あなた、神楽ちゃんだよね?」



「え、そうだけど…」




「私、あなたとお友達になりたかったの!」



ちっちゃくて可愛い子。



茶色っぽいサラサラの髪の毛が素敵。



「あたしでよければ是非」




「やったあ。私、杏子(あんず)って言うの!よろしくね」


杏子ちゃんは、可愛い笑顔を作って階段を降りて行った。