「ごめんなさい」 私の精一杯の答えに、“彼”は全てを察した。 駆け出す足が、私のこれからを予見する。 最初から決まっていた。 “彼”が来るなら、私は離れる。 例えーー足場がなくなろうとも。 「ーー!」 呼ばれた名前。でもそれは、遥か“頭上”。 ごめんなさい。 謝っても足りない、だから最期まで繰り返す。 許されないと分かっているから、泣いて謝るしかないんだ。