死が二人を分かつとも



「ごめんなさい……!」

あなたの想いに応えらなくて、ごめんなさい。

「やっぱり、許されることじゃないから」

私も、あなたも。

「もう、戻れない」

互いに笑いあえる日には。
今のように、どちらとも泣いている毎日が続く。

弥代くんをもっと苦しめてしまう。
私がいるだけで、彼が狂い続けて行くというのなら。

「あなたを、死ぬほど好きだった」

あなたの望んでいない形で、想いに応えよう。

「っ……!」

彼が来るなら、私は後ろへ。

事は一瞬。そのはずがーー

「そよ香あああぁ!」

彼の声が、いつまでも耳に残っていた。