死が二人を分かつとも


「ごめんなさい、ごめんなさ、ぃっ」

空に、一番近い場所。
逃避の終着点は、私の気持ちと反して心地良いほどの快晴だった。


乾いた風が、水分を奪っていく。

それでもなお、私の目からは止めどなく涙が流れていた。

誰にも届かない謝罪を口にする。
許されないと分かっているから、誰の耳にも入れない独りよがり。

見えない糸にでも引っ張られるかのように、足がふらふらと前へーーグラウンドが見下ろせる場所まで進む。

心が、がらんどうだ。
涙と共に人間としてあるべきものが流れていったような。

少し押されただけでも崩れ落ちる人形と同じ。けれども、私の足は踏み出せないでいた。

死ねない。
もう全てを失ったと言うのに、まだ死ぬまでの理由には至らない。

「なんで、私はっ」

臆病が瓦解するほどの理由に、ならないなんて……!

あんなことがあったのに。
死んだ人もいて、彼が人を殺すことを目の当たりにし、それらが全て私のせいだと自覚しているのに。

「……もう」

終わりにしなきゃ。
でないと、彼がーーやってくる。