「おい、美樹早くしろ!早くしねぇとおいてくぞ」
「ちょっ、待ってよ!あぁ、もう!お母さん行ってくるね」
「はいはい」
「おせぇ」
「は?」
「何分待ったと思ってんだよ」
「んなこと言われたって、女の子は時間がかかんの!」
「んなん知るかよ。てか、逆算して早く起きればいいじゃねぇかよ」
…ごもっともです。ごもっともだけれどもね?
「あんたがもっと遅く来ればいいでしょ?!」
「…俺、朝連あるもん」
「……」
はぁ、ったく。朝連ないのに早起きしてる私の身にもなれっての。
「お!お二人さんじゃん。今日もラブラブだね」
「はぁ?どこがだよ。なんでこの俺がこんなのとラブラブしてるように見えなきゃいけねぇんだよ」
…。
そうだよね。寛兎は私の事なんて好きじゃないんだよね。
そうだよ。ただの幼馴染なんだもん。家が向かいで、幼稚園からずっと同じ学校に通ってるけど、ただの幼馴染なんだもんね。
ただの幼馴染なのに、俺様で、口調悪くて、チャラくて、人を見下すことが好きな最低な人に恋して……。私、バカみたい。
「見えるって。めっちゃ見えるで?毎朝毎朝一緒に行ってさ、ウチ、この二人に会わんと焦るからね」
夙…本当に見える?私達付き合ってる風に。
…ちょっと嬉しいかも。
「あぁ、めんどいのに捕まった。おい、美樹、遠回りしてこーぜ」
そういって引っ張られた手。これにまたドキドキしてる自分がいる。
ねぇ、幼馴染は、私は、貴方の目にはどう映っていますか?
