「う…ここは…」
起き上がった紫音は任務を思い出して唇を噛んだ。
「いかなきゃ。」
ここに来るとき被っていた笠を被り、黒い羽織をはおる。
隣を見ると総司はいなかった。
日はもう高く昇っていて、そろそろ処刑の時間だと紫音は心の中で呟いた。
瞬間移動をしようとした途端、障子が開かれた。
「し、紫音さん?」
「あ、沖田さん…おはよ。」
「うん。おはよう。」
にっこり笑った総司に手をふると紫音は目を閉じた。
「ちょっと、いってくるね。夕方までには帰るから。近藤さんに伝えておいてね。」
「え!?ちょっ…」
総司に反論させずに紫音は消え去った。
「紫音さん!?」
部屋には総司の叫び声が響いた。
