ついに楓が炎を繰り出す。


「裏切り者!!おまえのせいで一族が滅ぶんだっ!!」

「そんなこと、知らないわ。間違ったことをしているんだもの。

……当然でしょ?」

蔑んだ表情で冷笑する紫音。

「っ!!死ねぇぇぇっっ!!!!!」


一際大きく広がった炎が紫音に向かったのと、紫音の瞬間移動で現れた十数本の苦無が楓に突き刺さったのは同時だった。



「う"ぁ"ぁぁ!?…な、んで…」

「楓も知ってるでしょ?私が邪魔者を生かしておかないこと。」


紫音はとっさに楓の炎を空間に閉じ込めたのだ。


口から血をはいた楓は切なげに紫音を見つめる。その頬には涙がつたっていた。