ただいま。

5歳の時。
保育園が休みの日曜日に、お母さんはどうしても抜けられない仕事があって、私は1日亮ちゃんの家に預けられた。


「お母さん…遅いなぁ。」


時計は午後8時を指していた。

夜はご飯一緒に食べようねって言ったのに。

亮ちゃんは一瞬私を見てまた、クレヨンをグリグリと画用紙に擦り付けた。

時計の針がコチコチと進む。

亮ちゃんがうとうとし出す。


「お母さん…帰って来なかったらどうしよう。」