パンッと音がした。




気付いたら、頬に痛みー…。


目の前に、真っ赤な顔で泣いているかなめー…。




かなめが、私の頬を叩いたのだ。




頬の痛みよりも、心の痛みの方が、大きく感じられた。




「ごめん……」




小さい声で、呟くようにかなめに謝った。




「……なつみなんて、もう知らない!!」




そう言って、かなめは部屋を飛び出して行った。


その時、キーンコーンカーンコーンと昼休みがもうすぐ終わる事を知らせるチャイムが鳴る。




教室に戻らなきゃ……。




でも、かなめとあんな事があった後じゃあ…行き辛い。


私は、放課後までこの教室で時間を潰す事にした。