噂のアヤメちゃん

「お帰り、なつみちゃん」

「うん、ただいま。お母さん」




お母さんは私とちなみの事は、ちゃん付けして呼ぶ。




私のお母さんは、いつもニコニコしていて、怒った事はあまりない。


注意する時も、いつもやんわりだ。




皆、お母さんがうざいとか、勉強しろってうるさいとか愚痴をこぼすけど、


私は、お母さんにそういう感情を抱いた事があまりない。




だから、私はお母さんが大好き。




「お父さんは?」


「お父さんはまだ会社よ。


ちょっと遅くなるみたいだから…先にご飯食べましょう。


なつみは早く、着替えてきなさい」


「はーい」


「ちなみ、お母さんと一緒にご飯の準備してくるねー!


お姉ちゃんも、早く来てねー」




ちなみがブンブン手を振りながら言った。




「分かってる、分かってる」




そう言いながら、私は自室へと続く階段を上った。