「そ、そういえばさ…」




私は、気まずい空気に耐えられず、口を開いた。




「先生、萌の両親と連絡が取れなかったって言ってたよね?


何か用事で出掛けていたのかな?心当たり、ある?」


「さぁ…。


二人とも、しょっちゅう外出してるから…よくわかんない。


ほとんど、私の一人暮らし状態だもん………」


「そっか……」


「多分、今日も帰ってこないと思う」




萌は葵が死んでしまったせいで元気ないし、


それにほぼ一人暮らし…。




だったら…。




「今日、私の家に泊まらない?


萌を、一人になんか出来ないよ……心配で、今度は私が死んじゃいそう」


「え……いいの?」




その瞬間、ぱぁっと萌の表情が明るくなった。




「ありがとう!


実は私、今日も一人かって思うと、心細かったの!」