保健室に付くと、ガーゼや薬品の臭いが、私の鼻にツンと来た。


ベッドの方を見ると、萌がぼーっとしながら窓の向こうを見詰めている。




「萌…?」




恐る恐る、萌に声を掛けてみた。




「……ん」




呻く様に言い、私の方をゆっくり振り返って、


じっと私を見詰める萌。




目が、真っ赤に腫れていた。


たくさん泣いたのだろう…。


葵が死んだから…。




私のせいだ…。




また、胸が締め付けられるように、苦しくなった。




「なつみちゃん……。


どうしたの…」


「萌が心配だったから、来たの」


「そう…」




虚ろで、濁った眼をする萌。