-放課後-




「なつみ、一緒に帰ろうぜ」




幸樹君が、私を誘いにやって来た。




「ごめんね…。


私、ちょっと保健室寄らないと……」


「嗚呼、そうか…。


酒井が死んでしまって、金井が落ち込んじまったんだったか……。


仕方ねーよな…。


じゃあ、俺は先に帰るから」


「うん、ごめんね…」




私は、幸樹君にそう言って手を振った。


幸樹君も、同じように。




そして、私は保健室へと向かって、


小走りで廊下を進んでいった。




多少、他の生徒の注目を集めてしまったが、


萌が心配だったから、そんなのは構わずに、私は走った。