苦しいっ………。



「あ、葵!やめて!!」


「ああああああああああ!!!」




葵は必死で、私の言葉に耳を貸そうとしない。




「葵………っ!」


「黙れ黙れ黙れああああああああああああ!!!」


「やめてよ!!」




私は、必死の思いで、葵を突き放した。


そして、ゆらりと落ちる、葵の体………。


その時の葵は、絶望に満ちた眼をしていて……。




たった一瞬の事が、何分も何時間も続くんじゃないかって位、


長く感じられた。




気付けば、葵の姿は目の前にはいない。




私は、屋上の柵から、落ちない程度に身を乗り出して、


下を見てみた。




そこには、真っ赤に染まった葵の姿ー…。


さっきまで、確かに生きていた葵が………。


屋上から落ちたんだ、生きている可能性は低い。


それに、下は固いコンクリートの地面…。




「あっ………あぁ…!」