噂のアヤメちゃん

「おーい、なつみー」


「あっ、幸樹君!」




幸樹君は、私の彼氏。




一年の頃からずっと好きで、二年になって告白したらOKもらって、

それ以来、毎日ずっと一緒に帰っている。




幸樹君は優しくて、とにかく格好良い。




「じゃあね、皆~!」


「ちぇー、彼氏もちはいいな~」


「ばいばーい、なつみちゃん」


「達者でな」




達者って…やっぱり葵は面白い事言うなあ…。




って、心の中でクスっと笑いながら、


私は幸樹君と一緒に下校した。




「あいつらと何話していたんだ?」




帰り道に、ふと幸樹君が私に聞いてきた。




「かなめが、女子力が低い割には乙女だって話!」


「へぇー…。


あ、そういえば俺、一条の事を好きな奴、一人知ってる!」