だけど、私が校舎の中に入った瞬間。


目の前には、その人ー…アヤメちゃんと思われる人物が立っていた。




「ひっ!」




何で!?


さっきまで、校門の近くにいたじゃない!!


どうして、私より早く校舎の中に……!?




アヤメちゃんと思われる人物は、私をギロリ、と鋭く睨み、


そして私の全身を舐めるように見詰めた。




その目は、やけに充血していてー……。


気味が悪かった。




「あっ……ああ…………」




契約を求められる前に、逃げなくちゃ……!




でも、私は足がすくんでしまって、動けない。


ガクガクと足が震え、そのまま腰を抜かしてしまった。




逃げられないー……。