だって、その人の様子がおかしかったから…。




ブツブツと何か呟いているようだけれど、何と言ってるかは聞き取れない。


髪の毛はぼさぼさ。


制服を着ているようだったが、私の着ている制服とはちょっと違う。


私の着ている制服は、白いセーラー服に、茶色いベスト。


そして、チャックのスカート。


なのに、その人は、セーラーは一緒だが、ベストは身に着けておらず、


スカートは無地に、紺のラインが入ったものだった。




これってー…。


もしかして、昔のこの学校の制服……!?




ていう事は…この人もしかして、"アヤメちゃん"!?




私は、その答えを出した瞬間、校舎に急いで戻った。




もしかしたらー…。


噂通りならー…。




契約を求められるからー………。




契約すれば、愛する人を殺さなければならない。


しかし、契約すれば、私が死ぬ。




私は、誰も殺したくなかったし、私自身だって、死にたくなかった。




だから、校舎の中に入って逃げようとしたのだ。