「んっ」




ずっと、何時間もキスしているんじゃないかという錯覚が起こる程、


私達は長い時間、唇を重ねていた。




そして、やっと二つの唇が離れた時だった。




ドスッ。




私は、幸樹君の腹を、包丁で刺した。




「う゛っ…!」




という呻き声と共に、幸樹君の顔が苦渋に満ちていく……。




「ごめんねっ……」




包丁を抜いて、私は悶える幸樹君にそう謝った。




「何で……だよっ、なつみ………」


「…何でって言われても………。


分かんないよ。




何で、私はまた誰かを殺さなきゃいけないのか……。




もう、分かんないよっっ!」


「またって…もしかしてっ…………酒井も……なつみが殺したのか………?」


「そうよ……私が、殺したの」