嬉しいのは本当だった。


だって、私とちなみだけっていう事は…。




誰にも邪魔されず、ちなみを殺せる。




そういう事でしょ?




ね?




リビングへ向かうと、ちなみはぬいぐるみで遊び始めた。


あのぬいぐるみは…。


私が、七歳の誕生日に、お母さんに買ってもらったものだ。




そっか……あれから、もう十年近く経つんだ…。


あの日、笑顔でプレゼントを私にくれたお母さんは……もう、いないんだ。




その時、ぽろっと涙が出た。




久しぶりに、泣いたような気がした。




私はその涙を、ちなみに気付かれないようにして、手で拭った。