気づけば誰もいない階段を 駆け上がっていた。 シンと静まる階段に私の足音と激しく乱れる息だけが響き渡る。 浮かんだんだ、上城君の顔が。 「何かあったら屋上にこい」 この言葉が。 今の私にはそれだけしか、頼るものがなくて、関わらないって、そう決めたはずなのに。自ら関わりに行こうとしてる。