南校舎の一階の一番端にある保健室に行きお腹が痛いと嘘をつき、ベットに横になる。
目を閉じれば浮かんでくる俊と美麗。
つい一昨日まではあの二人のことを思い出せば自然と笑みが零れたのに。
....今はため息しか零れない。
そして改めて考えてみる。
私は俊と付き合っている。
でも俊は美麗のことが好きで、美麗も俊のことが好き。
その証拠にデートもしてたし
抱き合ってたしキスもしてた.....。
お互いをあんなに愛おしそうに見つめて。
誰も入る隙なんてないくらいに。
思い出すだけで目頭が熱くなってくる。
徐々に何かが湧き上がってくる。
私は、したことないのになー....。
デートも。キスも。何1つ。
恋人らしいことなんて。
浮気、か。
私には縁のない言葉だと思っていた。

