いつもそうだった。 話すのは私から。 出かけよう、遊ぼう、 そう言うのも私から。 好き、っていうのも私から。 そういえば好きって 俊に言われたことあったっけ? 告白の時も 「付き合ってくれ」 だけだった。 蝉がなく、暑い夏の日。 あの時は、なにも考えられないくらい嬉しくて、胸がいっぱいで。 沸騰したみたいに身体中があつかった。