玲央は私に引っ張られながら、慌てて靴を履いている。
「どこ行くんだよ?」
いつの間にか私の隣に来て、手を繋いできた玲央。
「.......わかんない」
「....ははっ、何だそれ。
行きたいとこねぇのにあんな慌ててたのかよ。変なヤツ」
声をあげて笑う玲央。
その笑顔を見れて、なんだかホッとした。
繋いだ手から伝わってくる玲央の体温と、時折ぶつかり肩に、ほんのり優しい柑橘系の香り。
ちゃんと、玲央は隣にいる。
でも
『奥様ーーーーーー。』
梅さんの言葉が頭から離れない。
「玲央」
「ん?」
「公園、行こ?」
せっかくの初デート。
映画とかショッピングとか、やりたい事行きたい所沢山あるけど。
でも、こんな気持ちのままデートを楽しめると思えない。
他人が口を挟んでいいのかわからないけど、このモヤモヤをどうにかしたい。

