そう言われて、ぎくっとした。




だって、本当の事だから。



「.......逃げてなんか、」



「逃げてるよ!よく考えみなよ。
香里ちゃんは、そんな事で離れていっちゃうような子なの?

愛衣が本当に怖がってるのは
上城君にぶつかっていくことなんじゃないの?


その逃げ道として香里ちゃんを使うのはおかしいよ」







妥当だった。



本当は香里ちゃんが離れていくことが怖かったんじゃない。



だって、私は知ってるから。



香里ちゃんが優しくて強い子だという事をちゃんと知ってるから。




話せばわかってくれる。



そんな事、知ってたはずなのに。






私は上城君にぶつかって砕けるのが怖くて、香里ちゃんを逃げ道にしていた。