「お兄ちゃんお帰り」 「おっ、愛衣。ただいま」 ニコッと笑うお兄ちゃんの笑顔は お母さんに似ている。 「あっ、お醤油がないじゃない」 お母さんが空になった醤油のケースを私に見せる。 「愛衣.....買ってきて?」 うん、言うと思ったよ。 「りょーかい」 それだけ言ってお財布を持ち サンダルに足を引っ掛け私は外へと飛び出して行った。 外へ出ると雨はあがっていたけれど 蒸し蒸しするような暑さは残っていて、じめじめしていた。