「ありがとう」 俊はそう言って空き教室を 飛び出して行った。 思わず伸ばしてしまった手を、元に戻した。 その瞬間、こぼれ落ちる涙。 堪えてた涙がどんどん溢れてくる。 床を濡らしていく。 ーーーー苦しいよ。 ーーーー苦しいよ。 今すぐ走って、俊の背中に抱きつきたい。 頭を撫でてもらいたい。 『好き』って言ってもらいたい。 『好き』って言いたい。 ーーーーこんなに、想っても。 ーーーーどんなに想っても。 もう、トドカナイ。