観覧車は、回る。



どれだけ止まれと願っても回っていく。



まるで時間みたいだ。






ここから見える、遊園地の全貌。



君と歩いた道も、君と乗ったジェットコースターも、なにもかもが遠くに感じて、なつかしい。



心に渦巻くどす黒い気持ち。



それがなんなのか、俺にはまだわかっていない。



「今日一日、楽しかったね。
あっというまだった。」



ふいに彼女が発したその言葉は、俺の心をまた、えぐっていった。



傷ついたところから、なにかがドバドバあふれてくる。



黒くて赤い、心の傷。



「そうだな」なんて言葉で取り繕って。



君を見ないようにと視線を投げた。