がやがや



次の日

朝から雨で、委員会の仕事はなし。

私は小雨の中傘をさして、いつも通り学校へ行った。


教室に入ると…




…………。


クラス全員が、私に一瞬注目する。


昨日、あれだけ目立てば当然か…それに…




「………」


昨日まで仲の良かったあのグループが、私をちらっと見て目をそらした。

その目は気まずさと、少しビビっているようにも見えた…



そりゃあ、昨日稲瀬にあんなことされたら、驚くよね(汗)

ま、この様子じゃ…もう私にあんなことしてくることは、とりあえずなさそうかな。


私は自分の席につき、カバンから荷物を出した。




あんなことがあった翌日にも関わらず、私は案外平気でいられた。

稲瀬の言うように、自分を偽らず、自分らしくいられるから…



これが私なの。

だから、いいや。


もう…私は私でいい。





ドスッ



っ!



すると、突然自分の席の机が、ギシッと音を立てた。






「稲瀬…?」



顔をあげると、息を切らせた稲瀬が、私の机に座っている。






「…はよ」

「お、おはよ。来てたんだ」

「ああ、今来た。それよりごめん、今日迎えに行けなくて」

「え…」



迎えに…?






「昨日の今日だから、今日一緒に登校してやろうと思ってたのに、寝坊した」

「…寝坊?珍しいね?」

「修に付き合って、遅くまでゲームしてたから」

「ふふ、そう(笑)でも大丈夫!意外と平気だったよ」


私は、稲瀬に笑顔を向けた。





「…無理してない?」

「してないしてないっ!逆にあの子達の方が、大変そうだよ?あんたが昨日、怖い態度とったから…」

「…知るか。悪いのはあの女たちだろ」


冷たい、言い方をする稲瀬。



ったく…

急に素っ気なくなるんだから。






「それよりもさ…」

「…?」


私に手を差し出してくる稲瀬…そして…