目を閉じると、真っ暗の中…顔に何かを貼られたような感覚が…




「昨日のお礼」

「えっ…」


目を開け、顔を触ると…



っ!




頬に、なにか貼ってある…

それを指で剥がし、見ると…




「あ!パンのシール!!」


それは、私が集めているあのパンのシールだった。

そのシールは、反対側の頬に1枚と、おでこに1枚貼ってあった。




「3枚ある!これでお茶碗もらえる!」


私のテンションは、一気に上がった。




「集めてるって言ってたから…」

「ありがとう!嬉しいっ!」


ハッ…!

しまった(汗)

嬉しくて、つい普通に喜んじゃった…


こんなリアクションしたら、またバカにされるかも…





「そんなふうに笑った顔、初めて見た」

「え…」


てっきりからかわれると思ったのに、稲瀬は私を見つめて優しく微笑んだ。



思ってたリアクションと違う…

どうして…?





「あ、そうだ!忘れないうちに渡しとくっ」


恥ずかしさを隠すため、私は話を変えた。

そしてカバンから、ランチバックを出して、稲瀬に差し出した。




「な、なんか大変そうだし…私のついでだし……良かったら食べて」


私が渡したのは、お弁当。

今朝すっごーく迷ったけど、稲瀬用のお弁当を作った。


料理苦手そうだし、毎日コンビニじゃ…なんかかわいそうで…

でも、自分の作る“ついで”!

あくまでも“ついで”だから!!///


ただ、それだけ!




「…これ誰が作ったの?」